在宅勤務のあれこれ
デザイナーの橋本です。3月にクオックスにやってきてから、11月で9ヶ月目になります。
入社してからずっと在宅で勤務しています(基本的に週に一度は出社します)。
まだちょっと珍しい働き方でしょうか。どんな感じで勤務しているのか、どう感じたか、まとめてみたいと思います。
在宅勤務するまで
自宅からオフィスまではバスと電車を乗り継いで片道1時間半かかります。
車で通勤しようとすると朝夕は家のすぐ前から渋滞が始まっており、市をまたいで辿り着いてもオフィス周辺に駐車場確保するのも難しいなーという微妙な地方都市。
それに加えて複数の病を抱えており、移動に時間を取られるのも体力を奪われるのも辛いものがあります。
数年間はフリーのデザイナーで、作業は在宅で行っていました。ですので今自宅で作業するのも似たような感覚です。
その前はIT系企業や印刷会社でデザイナーとして働いており、その中の一社では通勤が困難な障害のある社員が在宅勤務をしていました。チャットや電話のやりとりで仕事を進めていましたが、特に在宅であることを意識することもなく、支社や関連企業と連絡を取りながらプロジェクトを進めるのと同じ感覚でした。
たまに会社で会える日が嬉しかったです。在宅と通勤を切り替える社員もいましたが、スムーズに見えました。
これまで在宅での仕事は身近に感じながらも、自分が企業に在籍して在宅で勤務できるというのは考えていませんでした。
やってみると自分にはこの働き方が実に合っていて、この体調で今まで無理していたこともあったのだと気付くことが多いです。
良かったこと
通勤の時間と削られる体力がカットできる
とても大きい要素です。通勤していたら1日あたり3時間を移動に使うことになります。30分でもきついなあと思ってしまう体力のなさなので、なるべく移動の時間は減らして体力温存できるのはとても有り難いです。
病院に行く時間を確保できる
総合病院は1日かかってしまうので休むしかないのですが、不調が続く時や突発的な病気の時、朝の早めの時間や夕方の時間を使ってかかりつけ医や専門クリニックに行くことができます。仕事の時間に掛かっても1〜2時間の遅刻・早退で済みます。
他には、
- 微妙な体調不良の時、作業と必要な連絡だけしていれば一人でいられるので気疲れしない
- 弱っている時に人ごみに出て風邪などをもらうことがない
- 出社した日にしか打ち合わせがない(ダラダラ続かない)
- 医務室がなくてもすぐ横になれる。トイレも安心
- オフィスのある街中より休憩時に気分転換や運動がしやすい
- 化粧やハイヒールは無縁なので色々助かる(弊社では元から服装に決まりはありませんが、こうしたことが暗黙のルールになっている職場だと本当に辛いものです)
などが良かった点です。
難しかったこと
家族の理解
自分は在宅勤務に違和感がなかったものの、家族には「家にいるのにパソコンに向かってばかりで家事がちゃんとできていない、怠けている」と言われ、全部が自由時間ではない、人と話しながら進む作業もある、とわかってもらうまでに結構かかりました。
「仕事=毎日決まった時間に出て行く」という認識だったのが、やっているうちに「仕事=具体的に作業している」に変化したようです。
家にはいるので雨が降っても洗濯物の取り込みはバッチリです。
育児や介護を理由に在宅勤務をする人で「在宅なんだから家事も育児も介護もちゃんとできて当然」と言われるととても苦しいだろうと思います。完全に一人で自由に時間を使うわけではないし、それだと仕事はできないので。
メリット・デメリット
よく在宅勤務を紹介する記事で見かけるメリットとデメリットは人によって受け取り方が変わるなと思ったので、私の場合で書いてみます。
家にいると集中できない?
もともとインドア派で、よそいきの格好で無機質な空間に人といる方がソワソワしてしまう性質なので、逆に集中できています。
周りの畑を見て息抜きしたり、鳥の声を聞きながら作業していると、画面だけ見て煮詰まることが少ないです。
コミュニケーションが取れない?
黙々と作業することが多いので、人が気にならない方がいいかなあ…。
連絡事項だけでなく軽い会話もハングアウトで行います。違和感を抱かないのはネットを介したコミュニケーションに慣れているせいかもしれません。
仕事帰りの飲みニケーションがない?
夕方から出て行くのは距離的にも時間的にも難しいので、確かに飲む機会は減りました。
しかし不摂生と飲酒は医師からも止められていて、時間によっては体力的にもとても辛いことがあるので、基本的に飲み会への参加は難しいです。最初からその場にいないことで断る機会が減ったとも言えます。
替わりに、社内ではランチ会で新作アプリの話をするようになりました。酔っぱらうより生産的です、たぶん。
どこでも仕事できるなら長時間働きすぎない?
なるべく休む時間を確保したくて在宅勤務なので、延々と仕事することは考えていません。
はよ散歩行きたいー! ご飯食べたいー! の一心で時間内に全力投球しています。
手術で入院する前後も頑張ればできると思ったりもしましたが、打ち合わせもできないし無理しちゃ意味ないよね…と考え直しました。
サボって遊んじゃわない?
テレビ見ながら仕事でも良いかなあと最初は思ったのですが、やっぱり集中できないので家でも基本的に黙々とやっています。
ぼんやりしていると業務連絡とタスクが飛んでくるので、遊んでしまう方が辛いかもしれません。
時間が空いたら調べ物とか勉強とか、何かネタにならないかと作ってみたりしてます。
サボってんじゃないの? の疑いが常にある、それを晴らす、くらいの心構えです。それ以前に、手を動かしてないと置いていかれる業界ですし。
向いている人、向いていない人
周りで、在宅勤務をしてみても「自分には合わなかった」と通勤に変える人もおり、台風の日に自宅で作業してみてどうにも合わなかったという人もいます。
「職場と繋がりつつ、契約に基づいて自宅で自己管理で作業する」ことに、人によって向き不向きがあるのだろうと思います。
- 家にいても集中できる、いや家だから集中できる
- 一人でできる作業が多い
- ネットや電話でのコミュニケーションが対面の時と同じように感じる
- 通勤の負担がないことに大きなメリットを感じる
- 仕事以外での用事が多い
- 時間や作業の管理を一人でもできる(厳密さとアバウトさの両方)
- それはそれ、これはこれ、今日の休みは明日の活力、生産性落ちたら粘っても良くない、的な思考
- 家族やご近所さんのちょっかいをどうにかできる
↑のような方は向いてるんじゃないかなーと思います。
本人以外の要素だと業務の種類とちょうどいいマネジメントがされているかが管理方法よりも重要かもしれません。それと学習や休息を業務に必要なものとして捉えている職場かも。
運動量に気をつけろ
通勤の移動がないことで、気がついたら家から一歩も出ずに1日が終わっていることがあります。
逆に、家にいるから気軽に外に出たり、家事で動いたりすることも。やろうと思えば仕事の前後の時間で軽い運動もできます。
意識して運動すれば効果的だけど、油断すると全く動かないことになる。
それが在宅勤務だと思います。