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UX(ユーザー体験)を検討するために有効とされるカスタマージャーニーマップ。
検索すると、カスタマージャーニーマップの意義や作り方についての記事がたくさんヒットしますね。作例もたくさんで参考になります。
カスタマージャーニーマップとは? UX向上を達成する7つの事例と作成方法 | 実践! プロも使うラピッドUX手法 | Web担当者Forum
【実例紹介】カスタマージャーニーマップ作成の4パターン(7ステップの作り方)|ポップインサイト
カスタマージャーニーマップとは?作成手順7ステップや作成ツールを紹介 | WEB集客ラボ byGMO(GMO TECH)
いや、しかし、こう……なんというか……どれもすごく真面目に教えてくれるのはありがたいんですが、字が多いし絵が立派すぎて自分で作れるのかめちゃくちゃ不安になるし何から手をつけていいのかわからなくなるんですよ……。
手取り足取り教えてくれるワークショップとかないですか!? という気持ちになってきますが、
ちょっと待って! まずは気楽に始めよう! 考える前にばんばん書こう!
という記事です。
まずは作り手の体験を良いものにしないとね!
どのくらい簡単なものを想定しているかというと、先日書いたものを載せますとですね……。
一人で手書きで1時間くらいで作ったものがこちら。
ワイヤーフレームやコンテンツの提案に不安があったので確認のために作ったものです。ペルソナ設定も自分の中だけでふわっと膨らんでるので書き込みは少ないです。
これだけでも「ここに情報が足りないのでは?」「この先に一押しが足りないかも?」「デザインの方向は、こういうユーザーに向けて、こういう効果を狙いたい」という部分が見えてきました。
図そのものを綺麗に作り込むより、こうしてユーザーの行動や気持ちの動きのシミュレーションを何度も行うことが、ユーザー体験を充実させることにつながるのではないでしょうか。
ということで書いてみましょう!
業務効率を上げるためのアプリ、というふわっとした設定で書いてみた例です。
ペルソナは写真やイラストをつけるとイメージが湧きやすいですね。
ターゲットとなるペルソナごとに作ります。
ユーザーにたどり着いてほしいゴールまでの行動を書き込みます。
フェーズが先でも良いし、タッチポイントや行動が先でも良いです。
この図ではタッチポイントをしっかり書くのが面倒だったので「タッチポイント・行動」とまとめています。
ユーザーやフェーズごとに流入元が異なる場合や、途中の選択によって複数のゴールに分岐する場合などは、タッチポイントを行動とを分けて書いた方がスッキリします。
どこから行動を始めるのか(広告で知る、検索流入、サイトのどこに到着するか、アプリであればダウンロードし起動するまでの流れなど)、サービスをどこで認知するのかが肝かなと思います。イメージを広げて書きましょう。
並べ替えを行うなら付箋を使うと便利です。思いついたことをどんどん書き込んで、後から似た要素をまとめたり、フェーズのまとめ方を考え直したりしてもOK。
ゴールまで遠いなとか、寄り道先がたくさんあるけど無駄ではなくユーザーの体験を良くするものになっているなとか、そういったことが確認できます。
それぞれのフェーズで、ユーザーがどのようなことを考え、感じるのかを書きます。
ここで「もう一つフェーズがある」「ここで出会う情報から、想定とは違う行動をとりそう」とかも見えてきます。フェーズや行動を増やしたり、別のシートに書いたりしても良いです。
ペルソナによって違うことを感じて、違う行動を取ることも考えられます。ターゲットが広すぎると設計が難しくなることがよくわかるので、ターゲットを網羅する量のペルソナを作って頑張って書きましょう。
しっかり作り込むより書け、書くんだ!
ゴールでのユーザーの気持ちはHAPPY! なのがベストですが、そうは行かないこともあります。不安や疑問は次から次へと湧くものです。全部書きましょう。
サービスの満足度が上がる秘訣はそこのフォローなんですよね。難しいですが……。
逆に、ここで「ユーザーはみんなHAPPY!」という結末しか浮かばないなら、自分の中でのサービス像が完璧すぎるか、ペルソナになりきれていない可能性が高いです。
作り手であることを一旦忘れるのがコツです。
ここまでに書き出した内容を一旦整理し、見えてきた各フェーズでの課題を書き出します。
どういう課題があって、どうケアしたら良いのかが見えやすくなります。
この課題への対策を練って設計に反映し、再び分析を行ってみましょう。
立派な見た目でなくて良いので、とにかく数をたくさん書きましょう。ユーザーになりきってイメージを膨らませます。
ここから更に、ユーザー調査の結果を書き込んだり、ペルソナでシミュレーションしたものと実際のユーザーの行動から書き起こしたものとを比較したりすると、分析の精度が高まって行きます。
戦略を練りに練ってチーム外にもシェアする必要が出たら、綺麗な図に書き起こすと良いんじゃないかなと思います。