最近歯科医通いを始めましたハシモトですこんにちは。
歯医者さんで「痛かったら左手を上げてくださいね〜」「大丈夫ですか〜?」と声かけされますが、左手でどう答えるのが正解なのかわからなくなってきました。
痛かった時は全力で苦痛の表情を作った上で左手をブンブン振るなり、「無理無理無理無理!」という感じでバタつかせれば問題ないのです。「ジタバタしてるのはなんかやべーな、何か嫌なことあったな」という共通認識がある。
問題は
「大丈夫な時」
「大丈夫ですかー? 痛くないですかー?」に、大丈夫をどう伝えるか。
目次
マルバツで示せれば早いですよね。でも左手しか使えないし顔周りは鋭利な道具で処置されてる最中だからアウトなんだ……。
それで結局使えそうなのが、OKサインのうちどちらかになります。
前者の「オッケー!」の方は、Facebookのいいねボタンに慣れてしまってから微妙に恥ずかしい気がするんですよね……。古い人間だと思われたくない的な……。
何か伝える時、特に歯医者で言葉が使えない時なんてハンドサインは重要なメッセージですから、どの形が伝わりやすいのかを検証したいと思います。
両方試してみたんですが、
これは「はい大丈夫ですねー」というお返事でした。
こちらは「ん……?」という反応で、微妙に伝わってないなという感じ。
前者は昔から伝われてきた形、後者は日本ではあまり馴染みがないため歯医者さんも戸惑った可能性があります。
ところで、意味や慣れだけでなく、見やすさはどうだったのか?
その前にまず、「見やすさ」とは何か。
色彩検定2級の内容ですが、色だけでなく形にも応用できそうなので引用してみます。
誘目性・・・特別に注意を向けていない対象の「発見されやすさ」
視認性・・・注意を向けて探す対象の「発見しやすさ」
識別性・・・色で識別させること
明瞭性・・・対象の意味の理解のしやすさ。図形の時は明視性、文字や数字の時は可読性
色彩検定対策テキスト2級編 社団法人全国服飾教育者連合会 2005年1月発行
明瞭性の「意味の理解しやすさ」はコンテクストというよりはコントラストの話ですね。このあたり、新しいテキストでは書き方が変わってるかも。
この中で、ハンドサインの形を検討する場合でも誘目性・視認性は関わってくるかなあと思います。
特に顔から離れた場所での表現ですので、目を引き(誘目性)、形がすぐわかる(視認性)というのは重要そうです。
絵文字だと同じように見えるので、実際に写真を撮り、トレスして形を比べてみました。
これをシルエットのみに変えると、
アッこれは……これは明らかに見つけやすさ・見分けやすさが違いそうだぞという気がしてきました……!
人間の目は指先などの尖った部分や他と違う形や空白など、違和感や情報量が多い場所に目が行くものです。注目しやすい場所と、それを結んだ範囲を図にしてみると……
これはもう昔ながらのOKサインが圧勝ですわ……。
サムズアップは袖で隠れたりしたらさらに見辛いですよね。
アプリやWEBではいいねボタンのサムズアップの方をよく目にします。これは絵としての情報量が少なく親指以外がまとまった形であることから、アイコンやあしらいの画像に使うと「すわりが良い」からかな? と考えます。
丸に3本指を立てたOKサインだと、立てた指先それぞれに誘導されて視線が発散してしまいます。
ところでハンドサインは国によって意味が変わるそうですが、外国から来た人が受診した時にどんなハンドサインを使っているのかがとても気になります。歯医者さんに聞いてみたいけど不審な目で見られそう……。
色や形の見やすさ、そしてそれに含まれる意味、それらを使って何を伝えるか、どのように受け取ったり伝わったりしたか、というのは、UI/UX設計の上でとても重要なことです。
デザインツールやモックの画面で日々テストを繰り返すのもありですが、実際の「人間の感覚や行動」「アプリ外でのリアルな感触」を元に画面の設計をしているわけで、日常生活のなかで、特にデジタルやきっちりした設計・意匠とは関係ない、何気ない行動の中で積む経験というのも大切だなと思います。
人の行動の癖や何が心地良いか、メッセージをどう伝えるかなどは先行研究やテクニック集もたくさんあります。日常生活の中でちょっと引っ掛かったことから調べるのもやっていきたいです。ハンドサインについてはまたおいおい調べることにします。
フォントだけでなくCDNやnpmで読み込んでJSからEmojiが使えるんですね。知らんかった。
https://github.com/joypixels/emojione